6月18日の「NHKスペシャル」は、睡眠負債やその返済のしかたについて。
毎日1~2時間程度のちょっとした睡眠不足でも、それが続くといつの間にか膨れ上がり、気づかないまま返済不能なほど増えるとがんや認知症などの原因にも。
この睡眠負債の返済には、やはりスマホが邪魔になるよう。
こんな人は睡眠負債かも?
・仕事でミスを連発してしまう
・家事に意外と時間がかかる
・休日は長めに寝てしまう
ひとつでも当てはまると、睡眠負債を抱えている危険性がある。
外の光を完全に遮断し時間のわかるものを隠し、時間を気にせず思う存分寝られる環境で寝たときに、普段より大幅に睡眠時間が増えたら睡眠負債があるとみられる。
睡眠負債は命に係わる病につながる
私たちをくし占める数々の病と、睡眠負債との深い関係が明らかになりつつある。
通常、私たちの体の中にがん細胞ができても免疫細胞が抑え込んでくれるが、睡眠負債になると免疫細胞の働きが低下しがん細胞が増殖してしまうのがわかってきた。
認知症もそのひとつ。
脳にアミロイドβという老廃物が蓄積されることによって発症すると考えられているアルツハイマー型認知症。
健康な脳でも毎日アミロイドβが作られるが、眠っている間に脳かは排出されている。
しかし、睡眠時間が十分でない場合は排出しきれない。
睡眠負債ではこの状態が続き、アミロイドβが蓄積し、認知症を引き起こす可能性がある。
睡眠負債によって、病気だけでなく注意力が気づかないうちに低下してしまう。
眠気は短い睡眠で解消できるが、体の疲れやストレスは解消できない。
睡眠負債リスクチェック
NHKスペシャルのホームページで、睡眠負債のリスクチェックができる。
ここ1か月の寝つき、睡眠途中に目が覚めることがあるか、早く目覚めてそれ以上眠れないことがあるか、総睡眠時間は十分か、全体の睡眠の質はどうか、日中の気分はどうか、日中の活動についてはどうか、日中の眠気はどうかに応えることで、リスクチェックができる。
や
一気に返済しようとせず、寝る時間を1時間早く、起きる時間を1時間遅くするのが理想。
睡眠負債を返済すると
睡眠負債は、脳や筋肉の働き、感情ややる気にまで影響するので、睡眠負債を返済すると全身のパフォーマンスが向上する。
1週間、睡眠時間を毎日1時間だけ増やす実験をすると、計算テストの結果も握力テストの結果も改善された。
極意1 ベッドでのスマホは厳禁
私たちの脳では、夜、松果体という場所から眠りを促すホルモン・メラトニンが分泌される。
血中のメラトニン濃度が上がっていくと眠くなる仕組みになっている。
この働きを抑えてしまうのがスマホ。
メールやSNS、動画の閲覧などで感情が動くと、脳の視床下部からメラトニンを抑制する指令が送られ、眠りが妨げられる。
極意2 上を向いて歩く
生活のリズムがくずれて夜ふかしが多くなると、体内時計がずれ、眠りを促すメラトニンの分泌も遅くなる。
でも、会社があるので起きる時間は変えられず、睡眠時間が短くなり、睡眠負債につながっていく。
ハーバード大学の研究によると、わずか15秒間強い光を見ることで、体内時計のずれを改善できるという。
もっとも有効なのが、朝の太陽。短い時間でもよいので空を見上がれば効果が期待できる。
そのほか、やると良いこととして、規則的な食事や夕方の運動。
やってはいけないこととして、寝る前のカフェイン、夜の強い光。
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