10月29日の「健康カプセル ゲンキの時間」は、睡眠の悩みについて。
睡眠の質は、睡眠時以外の過ごし方に大きく左右される。
なかなか寝付けなかったり、早朝に目が覚めてしまったり、眠りが浅くなる原因となる睡眠に良くない日中の過ごし方などが紹介された。
解説してくれたのは、慶応義塾大学特任教授の遠藤拓郎先生。
質の良い睡眠には、夕食に鍋
温かい汁物などで体温を上げるのがポイントという。
いったん上がった体温が就寝前に下がることで、眠気が訪れる。
ただし、食事は寝る3時間前までに終える。
睡眠時間が短いと
睡眠が足りないと免疫機能が低下し、がん細胞が活性化してしまう。
また、十分な睡眠が取れていないと、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβを脳外に排出できず、認知症の発症リスクを高めてしまう。
睡眠不足は、肥満や糖や尿病、心疾患、高血圧、うつなどさまざまな病気のリスクを上げてしまう。
睡眠の質が悪い原因は?
・運動不足・・・適度に身体が疲れていたほうが入眠しやすくなるので、適度な運動を心がける。
・朝日を浴びない・・・朝日を浴びないでいると寝たい時間に寝られなくなったりなる。
質の良い睡眠のためには、朝10時までに日光を浴びることが大切。日光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜にメラトニンという睡眠を促すホルモンがしっかり分泌されるようになる。
窓から差し込む光の中で30分以上過ごすだけでも効果がある。
また、メラトニンはバナナや大豆製品・乳製品に多く含まれるトリプトファンからも作られる。
・短い入浴時間・・・体温が下がり始めたときに眠気が訪れるので、眠る1時間前に38~40℃のぬるめのお湯に10分以上かけてゆったり浸かるのが、質のより睡眠につながる。
・午後3時以降の昼寝・・・夜間の睡眠の妨げになる。どうしても眠いときは15分だけ仮眠をとる。
・アルコール・・・寝つきがよくなる反面、睡眠の質を大幅に低下させる。
・スマホ・・・ブルーライトがメラトニンの分泌を抑制する。就寝前に気持ちが昂ると、覚醒するホルモン・ドーパミンが分泌される。脳が覚醒していると、わずかな尿意でも目が覚め、トイレで明かりを浴びることでさらに覚醒してしまうという。
仰向けに寝ると睡眠時無呼吸症候群に
仰向けに寝ていると、あごが落ちて舌が落ちて、その結果気道を閉塞して呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群になるなる可能性がある。
仰向けは気道が狭くなりやすいため、無呼吸になりやすい。
無呼吸は酸素が不足し寝苦しくなる。このとき、仰向けから解放されるため大きく寝がえりをうち目が覚めてしまうことも。
大きないびきも睡眠時無呼吸症候群のサイン。重症化すると、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を招いてしまう。
対処法としておすすめなのが抱き枕。
抱き枕を使うことで、仰向けの時間を減らし、横向きの時間を長くできる。
高さの合わない枕は寝返りを妨げる
高さの合わない枕を使うと寝返りを打ちづらくなる。
そもそも人は、自然な立ち姿がもっとも体に負担のかからない姿勢で、それをそのまま横にした形が理想的な睡眠時の姿勢。
枕の高さが適正であれば、真横からみたとき、あごの角度は立ち姿と変わらない。
高い枕は、仰向けから寝返りが打てないばかりか、あごが下がってしまうのでより気道を狭くしてしまう。
適正でない高さの枕は、肩や首に負担がかかり、肩こりなどの原因にもなってしまう。