日本人は、世界的に睡眠時間が少なく、シンガポールと並んで最下位という調査も。
9月11日の「主治医が見つかる診療所」で、スタンフォード大学医学部の西野精治教授が、効率よく良い睡眠を取る方法を教えてくれた。
睡眠負債の恐怖
睡眠負債は慢性の睡眠不足。
知らないうちにどんどん睡眠不足が積み重なって、がん、認知症、生活習慣病といった病気のリスクになる。
急性の睡眠不足はすぐに解消できるが、睡眠負債は週末に長く眠る寝だめ程度では簡単には回復しない。
睡眠負債チェック
(1)最近、朝の目覚めが悪くなった
(2)最近、夜の寝つきが悪くなった
(3)昼間に強い眠気を感じることが増えた
(4)夜中に何度も起きてしまうようになった
(5)ちょっとしたことでイライラする
(6)休日は普段より2時間以上長く寝てしまう
これらの項目のうち、1~2つ当てはまると軽度の睡眠障害、5~6つあるとかなり重症という。
眠らない女性は太る
特に女性で短時間睡眠の人は、BMIの数値が高い。
眠らないと食欲を抑制するホルモンが出ず、逆に食欲を増進するホルモンが出やすくなり、ついつい食べ過ぎてしまうという。
眠らない人は認知症になりやすい
アルツハイマー型認知症の原因アミロイドβは、日中に多く分泌され、睡眠中に分解され脳から出ていく。
睡眠時間が少ないと、アミロイドβが溜まってしまう。
また、体のなかのがん細胞やウイルスをやっつけてくれるNK細胞は睡眠中に活発になるので、睡眠時間が少ないと免疫力が下がってしまう。
眠り始めの黄金の90分を制するべし
最高の睡眠を得る法則として、黄金の90分を制するべしという。
黄金の90分とは、寝り始めの90分のこと。
この時間帯がもっとも重要なのは、眠り始めの90分が、一晩のうちでもっとも深い睡眠だから。
この時間帯をいかに深く眠るかで、睡眠が決まる。
しかも、この時間帯で、7~8割の成長ホルモンが分泌される。
スマホの強い光や、暑さや寒さでしっかり寝つけられないと最高の睡眠は得られない。
眠りと覚醒は表裏一体
最高の睡眠の準備は朝から。
その日の朝にしっかり目をさますのが重要。
必ず朝の太陽の光を浴びる。1分でもよく、それにより体内時計をリセットされる。
朝は軽い運動をする。
夜に覚醒するのを防ぐために、コーヒーを飲むのは午後2時までにする。
風呂から上がって90分後に寝る
人間の体温は、表面の皮膚温度と体内の深部体温がある。
このふたつの差が小さくなるほど眠気が強くなる。
一般的に深部体温のほうが2℃ほど高いので、深部体温を下げてやれば眠りに入りやすい。
深部体温は一度上がると下がる性質があるので、入浴によっていったん上げてあげる。
お風呂から上がって90分後に寝るのがベスト。
最高の睡眠のための食べ物
西野先生のおすすめは、トマトやきゅうり。
他にもパイナップルやスイカなど、体を冷やす食べ物を夕食に摂る。
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